結婚式は規模が大きくなればなるほど、コーディネーターさんを始め、たくさんの友人や親せきなどいろいろな方に手伝っていただくことになります。
中でも、受付やスピーチ、余興は友人や知人に頼むことが多いでしょう。場合によっては、披露宴の司会や撮影なども友人知人にお願いすることも。
当日新郎新婦のゲストをお迎えする大切な役目を果たしてもらったり、当日までにいろいろと準備や練習をしてもらったりと、結婚式のお手伝いはなかなか大変です。
お手伝いしてくれた方へお礼を用意するのは当然のことですが、ほとんどの場合、結婚式というおめでたい席でのことだからと「気にしなくていいよ!」と言ってくれるようです。でも、やはり親しき仲にも礼儀あり。感謝の気持ちを表すためにお礼をする意思を見せることは必要です。
そこで、結婚式直前で焦らないためにも、お礼の渡し方とその相場はしっかり知っておきたいですね。
■そもそも「お礼」は必要?
新郎新婦の新しい門出を祝うために、多くの友人知人は喜んで協力をしてくれるでしょう。でも、大事な場だからこそ、単なるお手伝いと言っても簡単なものではありません。
受付をしてくれる人は、長い時間立って新郎新婦両家の「顔」となりたくさんの人たちに挨拶をしてくれますよね。
司会進行も余興やスピーチも、念入りな準備が必要です。新郎新婦のためにわざわざ時間を割いて練習したり、文章を考えたりして当日を迎えてくれることでしょう。
多忙なスケジュールの中から新郎新婦の結婚式のために受付を引き受けてくれた方、準備をして余興などをしてくれた方に謝礼金やそれに相当する品物を渡すのは、感謝の気持ちを表すことはもちろん、今後も良好な関係を続けていくためにもとても大切なことです。
必ずしもお礼として謝礼金やプレゼントを渡さなければいけないということではありませんが、社会人としての心遣いができる人であれば、お返しを何もしないで平気ということはありえません。
「お祝いなんだから手伝って当然」や「もちろんタダで手伝ってくれるでしょ?」なんていう考えは、図々しいにもほどがありますよね。大役を引き受けてくれるのだという意識を忘れず、必ずお礼をするという気持ちを持っておきましょう。
■誰にどんなタイミングで渡すのが良い?
まずは、誰にどんなタイミングで渡すべきかを確認しておきましょう。
受付をしてくれた方
受付は、ゲストへの挨拶に始まり、芳名帳への名前記載のご案内、ご祝儀を受け取って管理、席次表などのお渡し、会場のご案内など、やることが多く実に忙しいポジションです。
もちろん新郎新婦も着替えやメイクといった準備からはじまり、当日はやることがたくさんあります。何より主役ですから、結婚式当日に受付のお手伝いをしてくれた方へお礼を渡すのは、新郎新婦だとタイミングが難しいかもしれません。
◇渡す人:新郎新婦の両親。タイミング:朝一
後日ゆっくり会ってお礼を渡すことができれば良いのですが、結婚式後はハネムーンなどなかなかすぐ会う機会が作れないこともあります。そういった場合は、結婚式当日の朝に両親や親族からお礼を渡してもらうのがベストでしょう。受付をしてくれた方が新郎の友人や知人なら新郎の親や親族から、新婦の友人や知人なら新婦の親や親族から渡すのが良いですね。
新郎新婦それぞれから1~2名ずつ受付をお願いしている場合は、「本日はどうぞよろしくお願いします」の挨拶とともにゲストが来る前の朝一でお礼を渡してもらいましょう。
結婚式にも様々なスタイルがありますので、朝一に渡せなかった場合は受付終了後や、披露宴がはじまってから歓談中に両親から渡してもらっても良いですね。
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余興やスピーチをしてくれた方
余興は披露宴の後半で行われることがほとんどです。ゲストの方は緊張してあまり料理を食べられなかったり、余興のために飲めなかったりすることもあります。そういった気持ちの部分も踏まえてお礼をしましょう。
スピーチも、基本的には余興と同じく事前にどのようなことをどの順番で話すのか考えて、準備して来てくれるものです。披露宴の前半に行われることもありますが、友人スピーチの場合、余興と同様の扱いで、披露宴後半にプログラムされることも多いです。スピーチする本人は、新郎新婦のために一生懸命内容を考えて、当日は緊張の中皆の前に立って話してくれます。
余興もスピーチも、目立つことが好きであったり誰かを喜ばせることが好きであったりと、もしかしたら好きでやっている人もいるかもしれませんが、とは言え、きちんとお礼をすることはとても大事です。
◇渡す人:新郎新婦。タイミング:披露宴終了後
披露宴終了後、できれば結婚式当日にタイミングが合えば、新郎新婦から直接お礼を渡しましょう。当日にタイミングが合わなかったときは、結婚式が終わってから日にちがあまり経たない日数でお礼を渡します。
直接会って渡すのが一番ですが、遠方の場合や都合が合わないときは郵送などでも大丈夫です。当日お礼を渡せなかったときは、当日か次の日にメールや電話で先に感謝の気持ちを伝えておきましょう。
司会をしてくれた方
プロの司会者でなくても、当日スムーズに進行するためには事前の打ち合わせが欠かせず、内容だけでなく時間配分も考えて当日まで準備を進めてくれるものです。司会は、結婚式の中でもとても気を張る大役の一つ。司会を引き受けてくれた方には、必ずお礼をしましょう。
◇渡す人:新郎新婦の両親。タイミング:挙式前か披露宴終了後
挙式前に新郎新婦の両親から渡してもらいましょう。挙式前に時間が取れない場合は、披露宴終了後でも大丈夫です。できるだけ結婚式当日のうちに渡すようにしましょう。
■相場はどれくらい?
受付も余興も基本的に仲の良い友人や気の置けない仲間といった親しい人にお願いするものなので、金額的には3,000円~5,000円ほどが相場のようです。友人知人は3,000円、上司や目上の方に余興をお願いした場合は5,000円ほどを用意するカップルが多いようです。そのくらいの金額であれば、相手に気を遣わせることなく受け取ってもらえるでしょう。
場合によっては、大人数で余興をしてくれることもあります。その場合は、1人1,000円程度の金額でも良いでしょう。演奏や歌、ダンスなど、友人であってもその道のプロが余興を披露してくれる場合は、金額を少し増やすといった気遣いができるといいですね。相場はだいたいの目安ですので絶対ではありません。予算や渡す相手、人数、曲数などによって増減してください。
司会をプロじゃなく友人知人にお願いする場合は、当日はお食事もできないので1万円~3万円ほどは渡したいところです。司会の立場で出席するため、席につくことはもちろん食事やほかのゲストとの会話を楽しむ時間もほとんどないにも関わらず、ご祝儀を持ってきてくれることもあります。その場合のお礼は、ご祝儀でいただいた金額に上乗せして渡しましょう。
品物でお返しする場合
いくら気持ち程度とはいえ、現金だと受け取りにくいこともあるようです。そんな時は、現金ではなく何かしら形のあるもの、品物でお返しするのがいいでしょう。では、具体的にどういったものが喜ばれるのでしょうか。
・ギフトカード、商品券
百貨店やクレジットカード会社の商品券をはじめ、スターバックスのようなチェーン店のプリペイドカードやクオカードなど、利用頻度が高そうなギフトカードは、もらった人も使いやすくて好評です。
本が好きな方には図書カード、よく百貨店でお買い物をする方はいろいろな百貨店で使える商品券など、贈る人の好みを知っているならその好みに合わせられると、より喜んでいただけますね。
・カタログギフト
カタログギフトは3,000円、5,000円、1万円など金額にバリエーションがあり、お礼を贈る相手によって変えられるのも嬉しいところ。自分の好きなものを選んで受け取れるので、無駄にならないプレゼントやお礼の定番としても人気があります。
相手の好みがわからない場合や、新郎新婦にお礼の品物を選ぶ時間がないときにも便利な品物です。
・日持ちする食べ物
お菓子やコーヒー、紅茶など日持ちのする食べ物や飲み物は無難と言えるでしょう。好きな食べ物や飲み物がわかればそれを選んだり、アイシングクッキーのように可愛らしいスイーツを選んでも良いですね。詰め合わせなどもバラエティ豊かでプレゼントに最適です。
ただ、コーヒーが飲めないのにコーヒーをプレゼントしてしまったなどのミステイクがないように、できるかぎり事前にリサーチしておきましょう。
・新婚旅行のお土産
当日はバタバタしていてお礼ができず、結婚式後もすぐに新婚旅行に出掛けてしまった場合は、新婚旅行のお土産を渡すのもオススメです。会った時には新婚旅行での話や写真と共に楽しい時間を過ごすこともできるので、仲の良い友達には特に喜ばれるでしょう。
■お礼は事前にリストを作って宛名を書いておきましょう
受付をしてくれた人、司会をしてくれた人、余興に出てくれた人…と、リストを作り、金額や贈るものを事前に決めておきましょう。余裕を持って作っておくことで、現金で渡す場合は何枚の新札を用意すれば良いのかや、ポチ袋やご祝儀袋の必要枚数なども把握できます。
新郎新婦それぞれからお願いした場合、両家の事情やご両親の意見によっても違いがあるかもしれません。その際は、謝礼の金額や品物を統一する必要はありません。そうした事情や意見を無視することなく、ふまえた上で金額や贈るものを決めましょう。
両親から渡してもらうお礼も、新郎新婦から渡すお礼も、前もって宛名をしっかりと書いておくと混乱せず、間違いなく渡せるので安心です。
ちなみに、1万円以下のお礼にはポチ袋、1万円以上のお礼ならご祝儀袋を使いましょう。この時のご祝儀袋は結びきりの水引を使ってください。高級なあわびのような感じの結び方で、両端を持ち引っ張るとさらに強く結ばれるので結婚式には最適と言われています。
鶴などを模した豪華な水引のついたご祝儀袋もありますが、入れる金額に見合ったご祝儀袋を使ってくださいね。
■まとめ
仲が良いほど「結構です」とお金は辞退されがちですが、そういった場合は無理強いせず、落ち着いてから改めて感謝の意を伝え、新居に招いたり、食事に誘うなどしたいですね。
結婚式を盛り上げたり、スムーズに進行しようと、当日はたくさんの方がお手伝いしてくれます。そういった方々の心遣いには、お礼を渡すことによってきちんと感謝の意を表せば、新郎新婦だけでなく関わったみんなにとって素敵な結婚式の想い出になることでしょう。