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式場から「カメラマンの持ち込み禁止」と言われても諦めないで大丈夫!

結婚が決まり気持ちも高まるお二人。

理想の結婚式にするために、ワクワクしながら準備に入ると思います。

そこで思いがけずぶつかる壁も様々に出てくるでしょう。

中でも今回は、大切なシーンを逃さず残してくれる大役、カメラマンの持ち込み禁止について詳しく見ていきたいと思います。

 

◆結婚式場の多くで設定している「持ち込み禁止」

 

おふたりの理想の会場探しに結婚式場をまわりはじめると(もしくは打ち合わせが始まると)よく耳にすることになる「持ち込み禁止」の言葉。

そもそも「持ち込み禁止」のシステムとはどういうものなのでしょうか?

 

結婚式場では、当日必要となる手配に、外部発注またはハンドメイドなど自前のものを用意することを『持ち込み』と言います。

この持ち込みに対し多くの結婚式場では禁止、または持ち込み料として別途請求されることが多いのが事実。

これだけでも、結婚式場側が持ち込むのを快く思っていないことがわかりますよね。

おふたりの晴れの舞台を手伝ってくれるはずのプランナーが、なぜ「持ち込み禁止」を掲げるのでしょうか?

それには結婚式場側の利益とリスク回避が関係しています。

 

 

利益と提携業者

結婚式場で紹介される、またはプランに含まれている業者や商品は、あらかじめ提携契約を結んでいる業者です。

それぞれの業者から提携費用をもらい、新郎新婦との契約交渉の場で推し進めます。

無事に提携業者のサービスや商品を利用してもらえることこそが、結婚式場側の最大の利益となっているのです。

おふたりが支払うそれぞれの金額には、実は結婚式場側の利益となる『中間マージン』と『業者側に支払われる代金』が含まれます。この『中間マージン』、結婚式場によっても異なりますがおおよそ30%~50%、中には60%(主にゲストハウス、一軒屋などの貸切スペース)の割合だと言われています。

 

例えば、「式場提携のカメラマンを50万円で発注」したとします。

中間マージンが50%の場合には、結婚式場側の利益が25万円、提携スタジオに25万円支払われる内の数万円がカメラマンの報酬となります。

そのため持ち込みを禁止、または得られるべき中間マージン分を「持ち込み料」として別途請求される訳です。

また、提携費用を納めているにもかかわらず、なかなか発注されないとなれば、提携業者の契約離れも心配されます。豊富な商品やサービス提供も理想の結婚式を行える大事なポイントですので、提携業者が揃っていなければなりません。

こういった様々な視点から、提携業者を守るといった理由も含まれています。

 

 

結婚式場側のリスク

持ち込みにより、結婚式場側へのリスクも少なからずあります。ここでもカメラマンを例にしてみましょう。

提携スタジオのカメラマン(以降、提携カメラマン)は、幾度も担当して会場内の動線や当日のスケジュールを熟知しています。また、結婚式場の各スタッフとも連携が取れているので、段取りなどもスムーズに運ぶという利点があります。

持ち込みカメラマンの場合は会場に慣れておらず、その結婚式場での特別なスケジュールや注意点、進行を妨げない動線などを理解していません。これを逐一プランナーや各スタッフが説明しなければならず、当日の特に慌しい状況のなかでこの様な当日の対応は、スタッフにおいてリスクになります。

 

 

しかも外部カメラマンは、提携カメラマンと違い撮影制限があります。例えば、チャペルの祭壇に上がれない、集合写真を撮るスタジオに入れないなど、あらかじめ制限内容を伝えておかなければなりません。

またこういった制限を守らず、ベストショットを狙うあまり無理をして式場とトラブルになるなど、あらゆる事態に目を光らせなければならない可能性もあります。

そのため結婚式場側も、スムーズに問題なくおふたりの結婚式を成功させるべく、極力「持ち込みのない進行」を求めているようです。

 

 

◆「持ち込み禁止」や高額な「持ち込み料」は合法なのか?

そもそも持ち込みの規制は合法なのでしょうか?新郎新婦によって理想も様々ですし、一生に一度の大切なステージに特別な思いも込められているでしょう。結婚式とは本来、そういった思いも含めて叶えられるべき場なのだと思います。

それらを叶えるために、これだけはこだわりたい、思いを込めた品を贈りたい、母親から引き継がれた品を身に着けたいなど、持ち込みで叶うことも数多くあります。その一つひとつを禁止または高い料金を支払わなければならないことが果たして正当なのでしょうか。

実は消費者センターに相談すると”消費者契約法10条”に抵触する可能性も出てくるのだとか。これは、新郎新婦に対し一方的に不当な契約を強いている、と捉えられる場合があるからです。

また、限られた業者のみから選ばなければいけないサービスや商品は、”独占禁止法違反”に抵触する可能性も含まれることがあるようです。

こちらはなんとなくご存知の方もいるかもしれませんが、決められた業者以外の参入を拒む行為として捉えられる場合があります。

どちらの場合にも公序良俗に反しているため、と判断されれば取り消し、または無効にすることが可能です。

ただし、多くの新郎新婦はおめでたい大切な結婚式に、法律や消費者センターへの相談を持ち出してまで解決すること、事態を大きくすることに後ろめたさを感じてしまう傾向にあります。

皆さんも思い入れのある結婚式に揉め事は起こしたくないのが心情ではないでしょうか。

そのため、仕方なく受け入れてしまう、ほかの条件は理想どおりだったのに会場を変更したなど、結婚式場側の言いなりになっていることが多いのが現状です。

残念ながら、こういった理由からもいまだに結婚式場側が優勢な抱き合わせ商法は成り立っています。

泣き寝入りにならないためにも、下見や見積もりの段階からきちんと持ち込みについての対応を確認しておきましょう。万が一の時には、上記の場合もあることは念頭に置いておくといいかもしれません。

 

 

◆持ち込みカメラマンを禁止された!

持ち込み禁止についてご理解いただけたと思います。ここからは、実際に持ち込みカメラマンを禁止された場合についてお話ししていきましょう。

 

 

結婚式場側はリスクや利益の面で快く思わない

先の項目でご説明したとおり結婚式場側では、提携業者を利用してもうらことでリスク回避や利益を得ることが挙げられます。そのためカメラマンを持ち込むことにも快く応じてはくれないでしょう。

中には、当日の対応がおろそかなだけでなく、「お名前を覚えました」といった嫌味もしくは遠まわしの出禁を言い渡されて後味の悪い思いをした持ち込みカメラマンもいるそうです。

 

 

言われるがままに持ち込みを諦めなければならないのか

比較的多くの結婚式場では持ち込みカメラマンの禁止、または多額の持ち込み料(3~15万円)を請求しての許可となります。おふたりが持ち込み料に納得し、それでも持ち込みカメラマンを選ばれるのなら良いでしょう。

しかし禁止となると、手の打ちようが無いとあきらめる方もいるかもしれません。ですが、まだ方法があります。

それは、「友人・身内に頼みます」という交渉です。

外部業者を禁止しても、友人や身内の出入りを禁止することは出来ません。

「撮影を得意としている友人・身内がいるのでお願いしたい」

「ほかの結婚式でも撮影していて好評で、友人・身内からもぜひと言われている」

など、「プロではなく一般のカメラマンだけどどうしてもお願いしたい人がいる」というように交渉してみましょう。

プランナーも心ある人たちです。勤務先の教育方針もありますが、どうしても譲れない、結婚式場側の妥協せざるを得ない状況も少なからずあります。

少し心苦しいところでもありますが、新生活に向けて無駄な費用は抑えたいですし、必要のないお金があるなら支払わないことも大切です。理想の結婚式をより賢く堅実に叶えていきましょう。

 

 

友人・知人でも持ち込みカメラマンとして拒まれたら

近年ではこういった事例も多く、結婚式場のスタッフも敏感になっていることが多いようです。そのため、撮影担当としてのみ(席を準備しない)では許可してくれない場合があります。

その場合にはひとりのゲストとして招待し、当日は撮影に専念してもらう方法が有効です。それ故、ひとり分の席(料理代)を追加で契約することになります。

カメラマンというのは当日、とにかく会場中を動き回り、ワンショットも逃さぬよう気を張っているものです。そのため、席に着いて料理を味わっている暇などありません。

そう考えるとひとり分の席を用意することは無駄にも感じるでしょう。しかし実際に十数万円以上の持ち込み料、提携カメラマンしか選べない場合の数十万円を支払うことと比較すると、料理代数万円で済むのであれば費用はとても抑えられることになります。

 

提携カメラマンを50万円で依頼した場合との比較

提携カメラマン 50万円
持ち込み料 25万円(中間マージン50%の場合)
ゲストとして招待 2万円程度~

 

「当日は撮影に専念してもらうので料理は食べられないからもったいない」

と言う声に耳を傾けてくれるプランナーもいますが、そうでない場合はひとり分の席料で済むのですから、ゲストとしての席(料理代)を準備しても節約の範囲内といえるでしょう。

この場合、ほかに席次表への追加と肩書きの工夫、担当カメラマンの氏名の確認とともに、ゲストとして招待することをあらかじめ知らせておくことも必要です。

 

 



◆依頼に気を遣う持ち込みカメラマンのメリット・デメリット

費用を抑えるためには魅力的な持ち込みカメラマン。しかし本当に魅力だけなのでしょうか。ここでは持ち込みカメラマンのメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

 

持ち込むメリット

・カメラマン代の費用を抑えることができる

・希望のカメラマン(もしくは会社)を指定できる

・撮影カット数や撮影イメージなど、事前の打ち合わせを行える場合が多い

 

外部業者に依頼する場合には、当然撮影サンプルなどを参考にして決めるのではないでしょうか。希望するイメージを撮影できる腕前のカメラマンを指名することができ、多くの業者はあらかじめ事前に詳しく打ち合わせを行ってくれます。(料金によっても異なります)

技術のあるカメラマンは多くの現場をこなしており、初めての会場でも要領よくこなすことが可能です。また当日まで会うことのない式場提携カメラマンと違い、事前打ち合わせが行えるのは安心につながります。

 

 

持ち込むデメリット

・結婚式場の施設動線に詳しくない

・撮影場所などに制限がある

・万が一の事態はおふたりの責任になる可能性がある

 

残念ながら持ち込みに対して快く思わないスタッフも多く、持ち込みカメラマンに対する当日の対応がおろそかになりがちです。そのため、スムーズな連携は必ずしも期待できません。

また、撮影スポットや動線の認識不十分から希望していたショットが撮影されていない、無茶をして会場内の破損など万が一のことが起こればおふたりへの責任として問われてしまいます。

 

 

◆最後に

いかがでしたでしょうか。

今回は持ち込みカメラマンを例に挙げ、「持ち込み禁止」の場合の対処について詳しくご説明しました。

費用を抑えることはおふたりにとって何より大切なことです。見積もりや下見の段階で「持ち込み禁止」や「持ち込み料」がどのようになっているのかをきちんと確認しておきましょう。

カメラマンの持ち込み禁止に関しては結婚式準備の中でもトラブルになりやすい項目です。

トラブルや不要な支払いなく、上手にプランを立てて理想の結婚式を叶えてくださいね。