高性能な家庭用ビデオカメラが普及してきた昨今、一般の方々も、演奏会で手軽にビデオ撮影ができるようになってきました。しかし、自分たちで撮影してみたものの「ちょっと違うな」と感じられた方も多いはずです。やはり素人と「プロ」ではその技量の差は歴然です。
高いビデオカメラを使っても、プロのような使い方ができなければ、宝の持ち腐れでよい映像は撮影できません。
画質が良くても質の高い、ハイクオリティの映像にはならないでしょう。ではどのように撮影すれば、満足いく演奏会のビデオ撮影ができるのでしょうか?
今回は演奏会でビデオ撮影する際に、良い映像が撮れるテクニックについて紹介します。ビデオ撮影のテクニックを学べば、演奏会以外にも応用できるようになるはずです。
演奏会でうまくビデオ撮影するためのとっておきテクニック10個!
ここでは、プロの撮影技術を持たない方が、プロ顔負けに演奏会のビデオ撮影をしていくためのテクニック、ちょっとしたコツを紹介いたします。
テクニック1 大前提!事前に会場に話し、ビデオ撮影の許可を取っておくこと!
演奏会側が依頼したプロの撮影業者以外の人が、三脚を立てて本格的な撮影をしていると、会場から注意される可能性があります。必ず会場から撮影許可を取ってください。
演奏会は1つの作品であり、無許可の人が撮影することは権利上問題になることがあります。「プライベートで自分で楽しむ用」と言っても、会場は信じない可能性があります。それを編集し無断で販売されるリスクがあるからです。
あるいは客席でビデオ撮影のセットを組まれたら、他の観客方の大迷惑になります。しっかり会場の許可を取り、許可された場所でビデオ撮影を行ってください。それが無理な場合は、自分でビデオ撮影するのは諦めてください。
テクニック2 演奏会の撮影に用意しておくと便利なもの
演奏会の撮影特有の、もって行くと便利なものを紹介します。演奏会のビデオ撮影は、旅行やイベントのなどの記念撮影などと異なり、ある程度の長い時間、集中してビデオ撮影し続けなければなりません。そのために用意しておくと便利なものを紹介します。
- ビニールテープ 3脚などを固定します
- 懐中電灯 暗い演奏会の最中に作業をするために使います。間違っても客や奏者に向けないように!
- 養生テープ ガムテープは床を傷つけるので、その代わりに機材を規定するために使います
- ビニール紐 主催者の許可を得て撮影する場合など、一般のお客さんがカメラの設置場所に入って来られないように仕切ります
- インカム 無線電話です。ヘッドセットによって会話します。携帯電話でもいいですが、片手がふさがってしまいます。
これらのアイテムは演奏会のビデオ撮影の際に、プロの撮影業者が必ず持っていくものです。
プロと同じように使えるかどうかはわかりませんが、とりあえず準備をしていただくことをおすすめします。
テクニック3 映像作品にふさわしい場所から撮影しよう
演奏会の撮影は「どこから撮るか」がとても大切です。最適な場所から撮影します。例えば、人、楽器が隠れないように、若干上から撮影するのがベターです。また、ピアノの演奏をビデオ撮影する場合は、鍵盤が見える若干後ろから行ってください。
もちろん、事前に会場の許可を取ることを忘れないようにしてください。無許可でこのような場所から撮影すると、会場から退出を命じられてしまうかもしれません。
テクニック4 三脚をしっかり立てよう
安定した撮影をするために、「三脚」をしっかり使ってください、三脚を使わないと、ビデオ撮影の際映像がブレてしまいます。
三脚を使ったビデオ撮影では、振動と水平の管理が重要です。まず、三脚の脚が振動を受けないように配置することが大切です。会場の静かさに関わらず、前の席の動きや通路近くの人の歩行が振動を伝えることがあるので注意します。
三脚を前の座席から離し、自分の椅子や通路にはみ出さない位置に設置し、必要なら養生テープで固定します。
三脚を水平に保つことも重要です。映像が傾くと違和感が生じますので、気泡水準器付きの三脚を使用し、気泡が中央に来るよう固定、調整します。これにより、誰でも簡単に水平な撮影が可能です。
テクニック5 音声は可能な限り良い音で録音する
演奏会を良い音で記録するにはどうすればいいのでしょうか。家庭用のビデオカメラは、演奏会のビデオ撮影に向いていません。録音に関する機能がとても弱く、演奏会の精微な音を拾うことができないからです。その中で少しでも良い音をビデオ撮影するためのテクニックです。
会場の音響設備を利用できれば、とても良い音を録音できます。
会場から提供された「音」と映像を組み合わせます。しかし、会場にコネクションがなければその方法はできません。もっと言えば、演奏会のDVDやBDが発売されれば、それを買えば済む話です。
もう1つのテクニックが、会場に備わっている天吊りマイクなどの音声をラインケーブルでカメラに入力する方法です。会場に無断でやれば大変なことになるため、事前の許可が必要です。
業務用のキャノンプラグと家庭用ビデオカメラのミニプラグの変換が必要で、家庭用ビデカメラのミニプラグはノイズが入りやすく高音質ではありません。
テクニック6 ホワイトバランスを設定しよう
音ではなく映像の工夫です。家庭用カメラはオート設定なので色味が変わってしまいます。そのため、マニュアル設定が推奨されます。これにより、撮影中の色味が統一されます(ホワイトバランス)。
マニュアルの設定方法はカメラごとに異なるので、取扱説明書を参照してください。一般的には、撮影する照明下に白い紙を置き、ファインダーで紙の白い部分を映してホワイトバランスの設定ボタンを押すだけで、プロ顔負けのきれいな映像が撮れます。
実際にカメラを設定したら、いよいよ具体的な演奏会のビデオ撮影に入っていきます。ちょっとしたテクニックで、プロ顔負けの演奏会動画になるでしょう。
テクニック7 カメラを動かさないシーンではできるだけ三脚から手を離そう。
カメラに伝わる微妙な「手ブレ」があると「素人の仕事」になってしまいます。プロの仕事には手振れがありません。
撮影中に安定した演奏会の構図をキープするためには、カメラを固定して三脚のパン棒から手を離すことが重要です。
手でカメラを持ち続けると微妙な振動が伝わり、手ブレが発生します。液晶画面では確認しづらいのですが、実際に撮影した映像を大画面で見るとよく分かります。
カメラを素早く三脚で固定し、手を離します。三脚のバランスが取れていればカメラは自動的に安定します。
テクニックとして、特に縦方向のバランスを意識します。ここでしっかり固定できれば、カメラの動き(ブレ)を最小限に抑えられます。この微調整テクニックを覚えましょう。
テクニック8 バッテリーと録画の残量に注意
テクニックとまでは言えないかもしれませんが、演奏中に撮影を中断させないためにもバッテリー切れには注意が必要です。
バッテリーが切れてしまうと、途中で交換しなくてはならなくなりますが、演奏中という周囲の環境が許さない可能性もあります。音が出てしまいます。
もちろん、バッテリー交換中は演奏会の動画が途切れてしまい、不完全なビデオ撮影になってしまうでしょう。
本番前に進行表やゲネプロで演奏時間を確認し、録画メディアやバッテリーの交換タイミングを決めておきましょう。バッテリーを最新のものにして交換不要にできればそれがいちばん望ましいです。
演奏会はアンコールなども含めて、当初よりも時間が延びることもあるので、バッテリーに余裕を持たせてください。長期間使っているバッテリーは、容量が減っているだけではなく、残量表示も正確ではないため、予備を必ず用意しておきましょう(新品が望ましいです)。
演奏中に記録メディアを交換する場合(今時ビデオテープや書き込み用DVDなどはないでしょうが)、暗い環境でもスムーズに作業できるよう、交換に慣れておいてください。
テクニック9 「明るさ」をマニュアルで調整する
こちらは「テクニック6」と関係します。プロのカメラは問題ありませんが、家庭用カメラは良くも悪くもオート機能で微修正しづらくなっています。60点のビデオ撮影は誰でもできますが、90点のビデオ撮影はしづらい仕様になっています。
通常のビデオ撮影ではオート機能で問題ないのですが、演奏会は異なります。
ビデオカメラのオート機能は、演奏会の演奏者が黒か白の服を着ているため、間違った調整をしてしまいます。演奏者の黒い服が画面の大部分を占めると、カメラは「空間が暗い」と誤認し、明るく調整しすぎて「白飛び」が発生します。これでは演奏会がきれいに撮影されません。
背景が暗い場合も同様のことが起きます。この「白飛び」を防ぐために、カメラの明るさ設定をマニュアルに変更し、人の肌を基準に調整するのがテクニックです。
ただし、カメラの液晶画面は角度によって明るさが異なるため、実際の演奏会の明るさと一致しないことがあります。普段から液晶の見え方を把握し、慣れることが重要です。
ビデオ撮影の際に「ゼブラ」機能を使えば、特定の明るさ以上の部分に斜線が表示され、白飛びを防ぐことができます。
ゼブラ設定で100を選ぶと、白飛び部分が斜線で表示され、適切な明るさに調整しやすくなります。
テクニック10 演奏会の全体的な構図やバランスを意識して撮影しよう
いくら映像がきれいでも「演奏会」という全体像がぼやけてしまえば作品として台無しになってしまいます。アップばかりの映像ではまったく魅力がありません。
ビデオ撮影をしようとすると、つい人物を画面の中心に配置することが多くなってしまいます。これは見栄えが良くありません。
演奏会のビデオ撮影なのですから、人物の向きや楽器の位置を考慮し、画面全体のバランスを取ることが重要です。
例えば、ピアノの演奏の撮影では、人物を画面の左に寄せ、右側にピアノを大きく捉えるとバランスが良くなります。
演奏会全体を引いて撮影する際は、テレビのセーフティエリア(TVモニターに映る範囲)を意識し、撮りたいもの(演奏者、楽器)をその範囲内に収めることを意識してください。
また、バランスを考え、特定の人物に囚われず、トータルで構図を考えましょう。ある演奏者の記念演奏会なら、その人にフォーカスしても良いですが、そうでなく演奏会全体のビデオ撮影をする場合、特定の部分にこだわりすぎるとバランスが悪くなります。
なかなか慣れるのは大変ですが、演奏会の全体像を意識してビデオ撮影を行うととてもよくなります。テクニックの集大成がこちらになります。
素人でもよい演奏会のビデオ撮影はできるがやはりかなりハードルが高い
以上、演奏会のビデオ撮影についてプロ顔負けに撮影するためのテクニックを紹介しました。注意すべきポイントを押さえ、テクニックを駆使できれば良い作品に仕上がります。
テクニックは大きくまとめると
- 会場と交渉し撮影に適したポイントを確保しビデオをセッティングするスキル
- ビデオをセットした後のビデオ撮影テクニック
この2つからなります。
特に前者については、普通の方が会場と交渉するのは難しく、大きなトラブルの原因になってしまうことも考えられます。
会場出禁になってしまう可能性もあり、ビデオ撮影のスキルがあってもあまりおすすめできるものではありません。
とはいえ、公式DVDなどが出ない演奏会も多く、家族が演奏するなど記念になる演奏会の場合、記録に残したいというのは尤もです。
そこで、演奏会の権利関係なども含めて交渉できるプロに依頼することを検討してみてはいかがでしょうか?
ビデオ撮影のテクニック次第である程度よい映像を撮影できるようにはなりますが、会場とトラブルなく権利関係をクリアするのはなかなか大変です。
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